神アニメ『86-エイティシックス-』の1期2期のあらすじと感想
こんにちは、柊です!
アニメ『エイティシックス』も最終話の放映が終わましたが、タイトルだけ知っていてまだ見ていない人もいるでしょう。
この記事では『エイティシックス』を見ようか見まいか迷っている人の背中を「見ろ!」と力いっぱい叩くための記事です。
あらすじと感想を交えてエイティシックスの魅力を語っていきます。
エイティシックスの原作についてはこちらの記事をご覧ください。
登場キャラクター
ヴラディレーナ・ミリーゼ(レーナ)
サンマグノリア共和国でエイティシックスの指揮管制官(ハンドラー)を務めるエリート。
エイティシックスを家畜として迫害する共和国の在り方を否定し、理想のために反発する。
スピアヘッド戦隊へ配属され、シンと出逢う。
シンエイ・ノウゼン(シン)
スピアヘッド戦隊戦隊長。パーソナルネームは『アンダーテイカー』。
戦死した仲間の想いを背負って戦い抜こうとしており、死神と呼ばれ慕われている。
レギオンの声を聴くことができる異能と突出した戦闘技術を持つ生まれた時代を間違えた英雄。
ライデン・シュガ
パーソナルネームは『ヴェアヴォルフ』。
シンとの付き合いは最も長く、彼への信頼も厚い。
言葉遣いが乱暴なところもあるが、面倒見が良くて兄貴分的な存在。
レーナのことは綺麗事を吹くアホと思っている。
セオト・リッカ(セオ)
パーソナルネームは『ラフィングフォックス』。
スケッチが趣味で各隊員のパーソナルマークはセオが描いている。
最初に配属された隊の戦隊長が、エイティシックスを迫害する共和国人と同じ人種の白系種で嫌っていたが、殿を引き受けて死んだ誇り高さを記憶に刻んでいる。
アンジュ・エマ
パーソナルネームは『スノウウィッチ』。
お淑やかでどこか気品のある振る舞いをする反面、戦闘能力は高い。
戦場に送り込まれる以前は虐待を受けており、その長い髪は背中の傷跡を隠すために伸ばしている。
クレナ・ククミラ
パーソナルネームは『ガンスリンガー』。
スピアヘッド戦隊一の狙撃手。
シンに好意を抱いており、それをネタに戦隊のみんなにからかわれることもしばしば。
両親を殺した白系種のことを憎く思っている。
その他キャラクター
アンリエッタ・ペンローズ(アネット)
サンマグノリア共和国の技術者。
エイティシックスとの通信機である「知覚同調(パラレイド)」の開発チームに所属している
シンとは幼馴染だったが、戦争が始まってシンが迫害の対象になったとき、他の者と同じように迫害してしまった過去に暗い感情を抱いている。
フレデリカ・ローゼンフォルト
レギオンを生み出したギアーデ帝国最後の女帝。
いまは身分を隠し、ギアーデ連邦の暫定大統領が後見人になっている。
本名はアウグスタ・フレデリカ・アデルアドラー。
レギオンの停止コマンドを実行できる唯一の存在。
エルンスト・ツィマーマン
ギアーデ帝国崩壊後に設立されたギアーデ連邦政府の暫定大統領。
レギオン支配域を超えてきたシン達を養子として迎える。
温厚な性格だが強い信念を持ち、そのための能力と実行力も兼ね揃えている。
あらすじ
迫害をする側の共和国人であるレーナ、迫害をされる側の戦場に生きるエイティシックス。
二つの立ち位置から顔も知らない少年少女が、それぞれの理想や誇りのために、戦い抜く物語です。
信頼関係などなく、信頼を築くこともできない環境。
過酷で非常な現実にレーナは何度も打ちのめされる。
エイティシックスを差別して、5年間の兵役後の市民権を餌に戦わせ、その前に戦場で死ぬように仕向け、生き残ればレギオン支配域に撤退不可の死の任務を命じる。
共和国の狂気的な在り方。
毎日話しかけているだけでエイティシックスを人間扱いしている気になって、彼らの名前を聞こうともせず、理想だけを声高に叫び、何も変えられない。
そんな自分の無力さ。
しかし何度打ちのめされようともレーナは歩み寄ることを諦めませんでした。
シンたちは確実に死ぬ任務を命じられてレギオン支配域に消えました。
レーナのいる共和国はレギオンの大攻勢を受けて滅びました。
通信越しであるが故に互いの顔も知らないまま別れ、お互いがお互いを死んだと思い込みます。
シンたちは戦い抜くことこそが誇りであり、その生き様を見たレーナは彼らに追いつくために戦い続けます。
そしてお互いに戦い抜いたその先で、再会を果たします。
アニメは原作の1巻~3巻が取り上げられており、全23話で構成されています。
1巻の「サンマグノリア共和国編」と2~3巻の「ギアーデ連邦編」の二つに分けてあらすじを紹介します。
サンマグノリア共和国編(1話~11話・原作1巻)
隣国の「ギアーデ帝国」が生み出した無人兵器「レギオン」による侵略を受ける『サンマグノリア共和国』。
その攻勢に軍は半月で壊滅し、全共和国市民を85区内に避難させることが決定される。
しかし全市民を受け入れるほどの広さも物資もそこにはなかったため、共和国は狂気に満ちた決断をした。
共和国内に居住する「白系種」以外の市民――つまり「有色種」の市民を敵性市民と認定して85区外(=86区)に隔離するという人種差別政策を実施。
さらに共和国は無人機と称した兵器を開発し、そこに「有色種」を乗せて戦わせた。
86区に追放された劣等生物――エイティシックス。
エイティシックスは人間ではないのだから、奴らを乗せればそれは有人機ではなく無人機だ。
故に戦死者は0。
そんな暴論がまかり通る狂った国。
ある日、レーナはスピアヘッド戦隊の指揮管制官として配属されることになり、『アンダーテイカー』と呼ばれるシンと通信越しに出逢います。
レーナはエイティシックスのことを人間だと思っており、コミュニケーションを取るため毎晩通信を繋いでいる。それで彼らのことを人間として扱っているつもりになっていた。
しかしエイティシックスたちは、安全な壁の中で自分たちを戦わせて綺麗事を上から吐き出している聖女気取りのアホだと認識している。
レーナは無意識にエイティシックスを差別していることに気づいておらず、そしてエイティシックスたちはそれに気づいていた。
だから言葉の上では友好的に接しつつも、一片の信頼も寄せていない。それどころか関心すら抱かない。
エイティシックスにとっては「白系種」こそが人の言葉を話す白ブタだから。
エイティシックスの一人が戦死したことをきっかけにレーナは打ちのめされることになる。
レーナはエイティシックスたちの本当の名前を聞いていなかったし、聞こうともしなかった。その考えにすら至らなかった。
それこそがレーナがエイティシックスを人間扱いしていないという他ならぬ証拠。
その後、レーナはエイティシックスたちに名前を教えてほしいと伝えた。
普通なら折れてしまうところだが、自らの過ちを正そうとするレーナにエイティシックス達が妥協した。
その中でシンが<葬儀屋(アンダーテイカー)>と呼ばれている意味を知る。
「死んだ奴の名前をそいつの機体の破片に刻んで、生き残った奴が持っていよう。そうやって最後まで生き残った奴が、そいつの行きつく場所まで全員を連れていこう」
その約束を果たすために最後まで生き残ったシンがそれを背負っている。
ーーシンエイ・ノウゼン。
最後に彼の名前を聞いたとき、彼の兄:ショーレイ・ノウゼンを通じて互いに接点があることを知った。
シンはレギオンに取り込まれて亡霊として戦場を彷徨う兄を探しているらしい。
兄を弔うため、殺すため、それだけを理由にシンは戦場を生きている。
再びレギオンの侵攻があり、パラレイドで聴覚を同調していたレーナはシンの異能が聞き取った亡霊の声を耳にする。
レギオンに取り込まれた人々の断末魔。スピアヘッド戦隊に配属され、ハンドラーの正気を消し飛ばして自殺にまで追い込む元凶の声。
シンにはレギオンがどこにいるのか、どれだけいるのか、それがわかる。
共和国がレギオンを観測できる範囲よりもさらに広い範囲を観測している。
シンによればもうすぐレギオンの「軍団」が攻めてくる。
戦場に残った何百万という死体から回収された脳から知能を得て、恐怖を知らない無人兵器の軍団を指揮して、エイティシックスに戦争を押しつけている共和国を攻め滅ぼすと。
スピアヘッド戦隊はエイティシックスの処刑場だった。
戦後、共和国が行った非道な差別と迫害をなかったことにするため、その当事者であるエイティシックスたちを確実に根絶やしにする。
そのためだけに最も戦闘の激しい敵陣に突き入れる「槍の穂先(スピアヘッド)」の名が与えられた。
それでもシンたちは生き残ってしまったため共和国はある任務を命じる。
レギオン支配域への無期限偵察任務。撤退は不可。本部や他部隊からの支援を禁じる。
「敵陣に突っ込んで死んで来い」
そう言っているだけの任務。
レーナは共和国の腐敗に絶句するが、当事者であるエイティシックスたちはわかっていたことだと言って憤る様子すらなかった。
戦い抜くことが誇りである彼らにとって、ようやく得られる自由だった。
ようやく自分が行こうと思ったところまで、行こうと思った道を辿っていけるようになる。
レーナはそんなものは自由ではないと思うが、全てを奪われて戦いを強制され続けたシンたちにとって自分で選べる自由に他ならなかった。
進んだ先で、シンは兄の亡霊を見つけた。
戦闘になり、シンたちを助けるためにレーナは命令違反も構わず本部の迎撃砲を勝手に使用して援護。
レギオンの軍勢は撤退を開始し、シンは兄の亡霊を打ち倒した。
戦いを終え、兄の弔いも終わり、そしてシンたちはレーナを置いて先に進もうとする
「おいていかないで」
レーナがそう言うとシンたちは柔らかく笑った。
「先にいきます、少佐」
それだけを言い残して、シンたちは共和国の管制範囲外へと消えた。
その後、レーナはエイティシックスたちが生活していた居住を尋ねた。
そこにはスピアヘッド戦隊の集合写真が残されていた。画質が荒くて顔まではわからない。
メモ書きを見つけた。
『こんなもんをざわざわ探して見つけたんなら、あんたは本物の馬鹿だ』
『名前書いとく。どうせあんた、今度は誰が誰だかわからないって泣くんだろうから』
『猫、もらってやってよ。善人ごっこのついでに、いいでしょ』
『名前はまだ、つけていないから。可愛い名前を少佐がつけてあげてくださいね』
『いつか、おれ達が行き着いた場所まで来たら、花でも供えてくれませんか』
それを見たレーナは好みの命運尽き果てるその時まで戦うことを決意した。
ギアーデ連邦編(12話~23話・原作2~3巻)
レギオン支配域を抜けたシンたちはギアーデ連邦に保護された。
初めは敵国のスパイやレギオンの最新兵器ではないかと疑われていたが、共和国が彼らに行った仕打ちを知って、連邦の市民たちは彼らを憐れんだ。
その憐れみを向けられて戦うことしか知らなかったシンたちは戸惑う。
ギアーデ連邦 暫定大統領のエルンストはシンたちを養子として迎え入れた。
それぞれ慣れない穏やかな日常を過ごし、友人も出来て、それなりに馴染んできていることにエルンストは安堵していた。
しかしそんな憐みとは裏腹に、シンたちは戦場を忘れることはできなかった。
だから全員、戦場に戻ることを決めた。
そこが自分たちのいるべき場所だから。
戦い抜かなければならないから。
エルンストはしぶしぶ応じ、士官学校経由で軍に入ることが決まった。
そこでフレデリカはシンたちに、かつて自分を守っていた騎士を救ってほしいと頼んだ。
かつてシンが自らの兄を救ったのと同じように。
士官学校に通い、軍に入る準備などを着々と進めていく中、かつての仲間であるファイドとの再会することになる。
ファイドの機体は破損していたが、コア部分は無事だったので修理することができたとのこと。
ファイドとまた会えたことでシンは連邦に来てから初めて笑えた。
大攻勢は突然始まった。
シンたちは大軍勢の先鋒を叩きに前に出て、敵を撤退させることに成功した。
しかしその戦い振りを目の当たりにした連邦軍の者たちはこう思った。
――化け物。
攻勢が落ち着き安堵するのも束の間。
超長距離からの狙撃がギアーデ連邦の前線基地を襲った。
そして同じ頃、サンマグノリア共和国も同様の襲撃を受けていた。
超長距離砲を放ったのは新型レギオンということが判明し、モルフォと呼称された。
超長距離砲撃はモルフォの銃身にもダメージを与えており、次の砲撃のための修理には2ヶ月かかると予測されていた。
しかし予測は予測。
いつその砲撃が基地を吹き飛ばすかわからない状況。早急に手を打つ必要があった。
モルフォ破壊のための作戦が立てられ、モルフォを破壊するという最も危険な役目は、国外から来たエイティシックスが指名された。
反対する者もいた。フレデリカは涙まで流した。
しかしシンたち自身がそれを拒絶した。
戦うことが自分たちに残された誇りなのに、それすらも憐みで奪おうとしないでほしい。
絶死の任務を前に着々と準備が進められていく。
虎の子である地表すれすれを高速で飛ぶことができる試作型地面効果翼機「ナハツェーラ」。
これでシンたちを百キロ先のモルフォの場所まで運ぶのだと。
果たして作戦が開始された。
ナハツェーラが超高速で飛び、その進路をレギオンが塞ぎにかかる。
戦闘を回避するためにシンたちはナハツェーラから投下され、そのままモルフォを護衛するレギオンと戦闘に入る。
その間にモルフォは撤退していた。
戦闘は終わり小休止しているといファイドのコンテナの中にフレデリカがいることが判明した。
送り返すこともできないので仕方なく同行させることになる。
レギオンと遭遇し、仲間が次々と脱落していく中、シンは進軍を続け、再びモルフォと戦闘になる。
そのモルフォこそがフレデリカの騎士キリヤ。
機体スペックには圧倒的な差があり、シンも苦戦を強いられて徐々に追い詰められていく。
そしてここまでかと思ったとき、シンのパラレイドに誰かがつながった。
同時に戦車砲の夥しい砲撃がモルフォに浴びせかけられる。
パラレイドの通信先にいる者はシンを援護すると言う。
その援護を借りて、シンはモルフォを撃破に成功した。
ほとんど身動きができなくなった機体の前に紺青の軍服を着た少女が立っていた。
サンマグノリア共和国の軍服。
本隊が接近していることがわかっていたため、一緒に合流するかとシンはその少女に尋ねた。
少女は首を横に振った。
部下たちを見捨てていくことはできない。たとえ敗北するとしてもここで戦い続けるのだと。
どの口で戦うと言っているのか。シンは失笑した。
共和国が滅亡したのに何のために戦うのかと問うと、少女は答えた。
命尽き果てるその最期の瞬間まで戦い抜く。
そう言って戦い抜いた人たちがいて、その人たちに追いつくために戦い続けるのだと。
「わたしは旧共和国防衛部隊指揮官、ヴラディレーナ・ミリーゼ大尉。わたしはこの戦、決して逃げません」
シンはここに立つ少女がレーナだと気づいた。
だから、名乗らなかった。
レーナは追いつくと言った。
「追いついて辿り着いた先がこんな有様じゃあんまりだろう。進んだ先で、彼女が見るべき景色は、こんな戦場なんかじゃない」
そう口にしたシンは、自身が進むべき未来、目指すべき場所について答えを出していた。
道中脱落した仲間たちも生きていることがわかり、誰も自分を置いていかなかったことに、シンは安堵した。
モルフォ撃破の作戦は終了し、次は旧サンマグノリア共和国の救援作戦が実施されることになった。
その作戦もつつがなく完了し、共和国から客員士官を招くことになり、シンはその士官の直属の部下となることが決定した。
そしてレーナとシンは再び出逢った。
「お久しぶりです、ハンドラー・ワン。ギアーデ連邦軍大尉――元スピアヘッド戦隊戦隊長、シンエイ・ノウゼンです」
臨場感のある楽曲
OPやED含むBGM等に使われている各種楽曲がそのシーンの情景にマッチしていて盛り上げてくれています。
下記で最もオススメなのは「Avid」と「LilaS」です。
『オリジナルサウンドトラック』
1期オープニング『ヒトリエ』
1期第2話エンディング『Avid』
2期オープニング『境界線』
2期最終話エンディング『LilaS』
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